サスペンション
SUSPENSION
サスペンション関連技術情報

ただ速さのためだけに機能するのではなく、クルマの魅力をよりいっそう際立たせるチューニングパーツ。
それが、タナベがお届けするGT パーツです。

だから、フットワーク系パーツのブランドとなる
「SUSTEC(サステック)」「DEVIDE(デバイド)」「GT(ジーティー)」も、
スポーツタイプだけではなく、セダンやミニバン、SUVまで幅広く網羅して、
どんなジャンルのクルマも、よりあなた好みのスタイルやフィーリングに確実に近づけます。

なお、タナベのGT パーツが、車種を問わず最高のパフォーマンスを発揮できる最大の理由は、
そのすべてがそのクルマだけを見つめてつくる車種専用設計だから。

私たちタナベの、クルマたちをより魅力的な存在にしたい気持ちは、ある意味自動車メーカー以上。
そう、クルマが好きで好きでたまらない、あなたと同じくらい強い気持ちです。

開発への取り組み情報
車ごとにベストを追求する車種別設計

車高調

たとえば、ともにスポーティなフィーリングが好みでも、スポーツカーユーザーとミニバンユーザーとでは、理想とする乗り味は大きく違うもの。だから、サステックやジーティー、デバイドの設計はクルマのキャラクターをいかす車種別の専用設計。ミニバンタイプなら、特性である快適さを絶対に犠牲にしない方向で。スポーツカーユーザーが好むクイックな運動性能ではなく、安定感を軸にスムーズな走りを演出します。人をみても、その人の胸の内は想像できない。でも、愛車をみれば、その人の志向や好みは想像できるものです。

CAD設計 まずは純正を知る。サステック、ジーティー、デバイドの開発は純正の仕様解析からスタートします。もちろんそれはカスタムスプリングも車高調も同じで、完成したプロトモデル(試作品)は、車種ごとに実車装着して、フィッティングやダウン量、干渉、異音といった項目を徹底検証。車種ごとに現車合わせで仕立てるから、機能はもちろんフィッティングも抜群。サステックやジーティー、デバイドに、コストダウンのための流用といった考え方は一切ありません。

ユーザー目線で試す、テイスティング・ラン

新開発のプロダクトは、1台1台実車に装着して、ハンドリングやライド感をテイスティングする。そして、納得がいかなければ何度でも作りなおす。これも他にはないtanabeの特徴です。理由は不満のないパフォーマンスを約束するため、スタイリッシュなローダウンをこの上ない完成度でお楽しみいただくためです。ちなみに実走テストでは、フル乗車での乗り心地も検証。サステック、ジーティー、デバイドはオールラウンドでのGOODスタイル&GOODフィーリングを約束します。

サスペンションのテイスティングに特別なコースは必要ありません。誰もが日常的に使う公道こそがベストシチュエーション。乗り心地はもちろん、段差やワダチ、ウエットなどのスリッピー路面、さらに予想外の急ハンドルや急ブレーキ操作時のクルマの動きまで。バーチャルではなくリアルな状況下でtanabeのアイテムは徹底的にテストされます。

コア技術
ファインテクノロジーで作る超高強度鋼材で引っ張り強度2100N/㎟を獲得

一般的に自動車の足まわりは低価格な車ほどシンプルで簡素な構造です。その理由は、メーカーにとってサスペンションがコストダウンのポイントになっていることが多いため。当然スプリングに使用される鋼材も可能なかぎり省コストなものが使われます。それと同様に、カスタマイズスプリングも、コストカットが図られたモノはやはり乗り心地がチープ。『車高は落ちた。それに伴い乗り心地も一気にダウンした…』。そういうサスは多くの場合、使用されている鋼材の品質に難アリです。

タナベがスプリングに使用する線材は高周波誘導加熱処理が施された特別なバネ材。さらに、この鋼材の特性を活かし切る設計・製法で、2100N/㎟もの引っ張り強度を得ています。ちなみにこれは一般的なスプリングに比べて10%以上も高い数値。マテリアルからしてサステックのスプリングは高性能で高品質。しなやかな強靭さはスーパーフォーミュラをはじめレーシングの世界でも大活躍しています。

アフターメーカー唯一のハイパワーコイリングマシン

コイルスプリングの製法は大きくわけて2タイプ。鋼材に熱を加えて成形する“熱間成形”と常温のまま成形する“冷間成形”があって、それらはホイールの製法で例えるなら鋳造か鍛造かといったニュアンス。性能を追求するなら後者の冷間成形が圧倒的に勝ります。ちなみにタナベは、アフター業界においてスプリングを冷間成形できるマシンを唯一導入。高級車のあのしなやかな乗り心地を具現化できる、ただ一つのメーカーなのです。

鋼材を常温で巻きあげる冷間成形の利点は、高強度でヘタリに強く、さらに初期反発が穏やかなスプリングを製造できること。踏ん張りがきくのに、硬く感じない。そんな文字通りしなやかなフィーリングのスプリングに仕上がります。ちなみにタナベのコイリングマシンは、線径14㎜以上の鋼材を常温で巻き切れる強力さ。サステックやジーティー、デバイドのスプリングの切断面が粗いのは、じつはこの高度な冷間成形が採用されている証なのです。

品質・安全性
絶対的な安心を約束する品質管理システム

ヘタリやダンパーオイル漏れ、ガス抜け、異音等、不具合が発生した場合の無償修理・交換など、最近のサスペンションパーツはアフターフォローが万全。サステックのアイテムも確かな保証制度を完備します。
ただ、メーカーとして本当に大事なのは、保証制度ばかりを充実させることではなく、保証などに頼らない完璧な製品をつくること。高度にシステム化されたISO認証の滋賀プラント、さらに人の目はもちろん専用機による厳格な品質チェック体制で、絶対的な安心を保証します。

サビや剥がれを徹底防止!! こだわりの超防錆3コート塗装

リン酸と亜鉛を主成分とした処理液を鋼材の表面で化学反応させ、 強固に密着したリン酸亜鉛結晶の被膜を形成。鋼材表面の結晶は、万が一キズがついた場合でも、周囲にサビが広がるのを防ぎます。また、ザラザラとした結晶の隙間に塗装が入り込むことにより密着性が高まり塗膜を剥がれにくくする効果も得られます。(アンカー効果)

カチオン電着塗装は水溶性電着塗料の中に被塗物(スプリング)を 浸漬させ、直接電流をかけることで塗料を付着させる塗装方法。複雑な形状の被塗物であってもピンホールがなく均一で密着性の高い塗膜を形成出来るため、極めて高い防錆性能を誇ります。タナベのスプリングは自動車のアームやメンバーに施す13ミクロンよりさらに塗膜の厚い16ミクロンのカチオン電着塗装が施されます。

マイナスを帯びた塗料を対象物の表面に吹き付けた後、焼き付けをおこなうことで、塗料に含まれるポリマーが融解し密着します。塗装対象が空気に触れにくい特性から、優れた防錆性を発揮。さらに溶剤塗装の4〜5倍の厚さの塗膜があるため、強度が高く、キズに強いほか、耐熱性や対油性にも優れています。また、塗膜に柔軟性があり伸縮するためひび割れしにくく、寿命も長くなります。

耐久テスト
耐久テストは5㎝ストロークを100万回繰り返す長丁場。スプリングのヘタリ、変形、レート変化を2〜3日をかけて徹底的に調べあげます。ダンパーもスプリングと同様に、長時間に渡るストロークテストで、ケースの温度、オイル漏れ、シールの破損、ロッドの歪み、減衰力の変化等が精密に検証されます。

※Option(オプション) 2020年7月号に掲載していただきました。
Option7月号内容3
※Option(オプション) 2020年8月号に掲載していただきました。
Option8月号内容3
TANABE ☓ KYB = SUSTEC PRO Series

サステックPRO Series(車高調)が指標するライド感はレクサスのあのフィーリング。スポーツタイプであってもけっしてタイトではなく、ラグジュアリーなモデルといえど走りの能力はきわめて高度。剛性感とフレキシビリティが同居する、洗練のフットワークです。KYBは、そんな特別なライド感を具現化するために選んだパートナー。
レクサスにダンパーを供給するKYBと共同開発するPRO Seriesは、車高を落とすためだけでなく、愛車の乗り心地を高めるためにも活用いただきたいプロダクトです。

タナベがパートナーシップを結ぶKYB(ケー・ワイ・ビー)は油圧機器の国内最大手。PRO Seriesに組み込まれるダンパーは、トヨタのプレミアムブランドであるレクサスの純性ダンパーと同じファクトリーで開発、製造されています。タナベが同社をパートナーに選んだのは、圧倒的な技術力や品質の高さはもちろん柔軟で真摯なモノづくりに対する姿勢。より快適でより高性能なサスペンションの開発に共に取り組めるメーカーだと考えたからです。

■データ
1946年から自動車メーカーのダンパーの生産を開始し、その長い歴史の中で
様々な車両を開発した技術・実績・ノウハウが蓄積され、膨大なデータ量を保有しています。
■強度設計
F1や過酷なWRC、パリダカなど様々なモータースポーツのサポートで実績を上げてきました。
ただ単に強度を上げるだけでなく、バネ下荷重の増加を抑え車種ごとに最適な強度で設計します。
■品質・生産
仕入れている材質にもこだわり、独自の規格の上限の物を使用し、自社生産による純日本製です。
生産では高精度の品質で、例えばロッドのメッキ公差は1/1000000(μ)単位で管理されています。
■開発・評価
自動車部品メーカーでは最大規模のテストコース(約600,000m2、東京ドーム13個分)を所有。
山岳路、旋回路、世界の様々な路面を再現した直線路などで実験、評価、開発に活かされています。
製造工程
最新設備と熟練職人が創り上げる「サステック」[デバイド」「ファントライド」

車高、乗り心地、フィーリング、保安基準への適合性、安全のため必要とされる耐久性…
全ての面において高次元にバランスのとれるサスペンションシステムのみを皆様のもとへ。国内屈指の最新設備とレーシングスピリッツ溢れる経験豊かなクラフトマンにより造られるサスペンションシステムの生産工程をご覧ください。

  1. 01設計

    車両の持つ特性を調べる為、徹底的にチェックします。その上で車両の特性やキャラクターを踏まえ、どのアイテムにて開発するか決定し、長年のノウハウから最適なダウン量を算出し、試作品を作成。実車に装着して乗り心地などのテスト行います。理想の状態になるまでこの行程を繰り返し、最終的な仕様に煮詰めていきます。

  2. 02材料

    タナベのスプリングに使用する線材は高周波誘導加熱処理が施された特別なバネ材。さらに、この鋼材の特性を活かし切る設計・製法で、2100N/㎟もの引っ張り強度を得ています。

  3. 03冷間成形

    加熱してコイリングする熱間成型に対し、タナベでは、最新鋭の高精度・高性能設備による非加熱常温成型(冷間成型)することにより、素材の劣化を防止し、高次元の性能を維持します。

  4. 04低温ブルーイング

    高張力鋼材をコイリングしたものに約400度の低温を加える(低温ブルーイング)ことでひずみの原因である残留応力(巻かれたバネが元に戻る力)を取り除き高い靭性を与えます。

  5. 05ダブルショットピーニング

    小さな金属粒(ショット)を毎秒数十mの高速でスプリング表面に打ちつけて、凹凸を発生させることで、表面応力を向上させ、飛躍的に疲労強度(耐ヘタリ性)を向上させます。タナベでは更に、2回に分けて大小のショットピーニングを行うことによりその効果を倍増させています。

  6. 06セッチング

    スプリングに、設定最大荷重以上の力を加え全密着させる工程。あらかじめヘタリが取り除かれ装着後の変形防止になり、高性能スプリングを誕生させます。

  7. 07品質管理

    スプリングレート、スプリング最大荷重、最大許容ストローク量を検査。実際の車に取り付けた時、想定される以上の荷重をかけての最大許容荷重試験、100万回に及ぶ繰り返し応力試験を実施します。

  8. 08塗装工程

    サスペンションの耐腐食性能は、安全•安心を支える重要なファクター。タナベのスプリングの防錆対策は、『リン酸亜鉛皮膜化成』という高度な下地処理からはじまって『カチオン電着塗装』で本塗り、さらに上塗りは『粉体塗装』で処理。キズや融雪剤に対する耐久性も圧倒的なレベルを誇ります。

  9. 09最終検査

    完成後のスプリングから任意の10%に対し抜き打ちテストを実施。検査規格に合格する商品のみを出荷するシステムをとっております。これは、JASO(自動車技術会)規格を上回る厳しい管理基準を設けておりタナベ商品の高品質・高性能の証明でもあります。

  10. 10車高調キット組み立て

    車高調キットについては、出来上がったスプリングとダンパーを厳しい品質管理基準に基づき、自社工場にて組み立て。お客様に完璧な状態でお渡しするため、組み立ててから出荷できる状態にしています。

  11. 11商品管理

    お客様のご要望に常にお応えできる様、徹底した商品管理のもとに自社工場内にてストックします。

サスペンションに関するガイド
車高調のしくみ ローダウンスプリングのしくみ ローダウン・減衰力 へたり永久保証